物的担保
抵当権
- 抵当権とは債務者もしくは第三者所有の不動産を目的物として、従来の占有を移すことなく設定を受け、債務者が弁済しない場合、競売にかけ、その代金から優先弁済を受けることのできる担保物権。
- 抵当権は、債権者が裁判所の公的な手続を経ずに私的に実行することはできない。
抵当権の性質
- 付従性
- 随伴性
- 不可分性
- 物上代位性(賃料債権等)
抵当権には物上代位性があり、賃料は物上代位性の客体となる。しかし賃料に物上代位権を行使するためには、賃料の払い渡し前に抵当権者が賃料債権を差し押さえる必要がある。
担保不動産集積執行手続き
- 担保不動産収益執行とは、不動産から生ずる収益を被担保債権の弁済に充てる方法による不動産担保権の実行を言う。
法定地上権
法定地上権とは抵当権の実行によって、土地・建物の所有者が分離することになった場合、法律上、建物のために地上権が発生し、建物の経済的効用が保たれる制度。
法定地上権の要件
- 抵当権設定当時、土地の上に建物が存在したこと。
- 抵当権設定当時、同一人物が土地と建物を所有していたこと。
- 土地と建物の一方あるいは双方に抵当権が設定され、競売の結果、別々の所有者が土地と建物を所有するにいたること。
- 法定地上権は、強制競売・国税徴収法による公売についても成立が認められる。
- 法定地上権が成立する範囲は建物の敷地だけではなく、建物の利用に必要な土地を含む。
- 一括競売(土地と建物を一括して競売できる)も可能。
- ただし優先弁済を受けられるのは、自分が抵当権を設定した土地あるいは建物の競売代金のみ。
- 土地建物に設定された抵当権が実行され、土地と建物、それぞれ別人が取得し、建物の取得者が法定地上権を取得した場合、その地代の額に付き当事者が合意できない場合は裁判所が決定する。
建物明渡猶予制度
- 抵当権者に対抗できない建物賃貸借の賃借人であっても、競売開始前から使用・収益を行っているものは、建物買受金の買受の時点から6ヶ月を計画するまでは、その建物を引き渡さなくてもよいという制度。
6か月後には引き渡さなければならないという制度だね。
6か月後以降も住み続けることができる制度は次に説明するよ!
抵当権登記後の賃貸借についての抵当権者の同意
下記の要件を満たせば、賃借権は抵当権に対抗でき、建物を明け渡す必要はない。
抵当権登記後の賃借権についての抵当権者の同意の要件
- 賃借権の登記があること。
- 賃借権登記前に登記をした全抵当権者の同意を得ること。
- その旨の登記(同意の登記)をしていること。
抵当不動産の第三取得者の地位
第三取得者を保護するための制度が2つある。
- 代価弁済
- 抵当権消滅請求
代価弁済
抵当不動産を買い受けたものが、抵当権者の請求に応じて売買代金を弁済すれば、抵当権は消滅する制度。
抵当権消滅請求
抵当不動産の第三取得者が抵当権者に対して、所定の書類を送付して抵当権の消滅を請求する制度。
この請求を受けた抵当権者が2ヶ月以内に競売の申立をしない場合は、抵当権者は第三取得者の申し出た代価を承諾したものとみなされ、第三取得者がその代価を払い渡し、または供託したときに抵当権は消滅する。
共同抵当
複数の不動産の上に抵当権を設定することを共同抵当という。
共同抵当を設定する場合、対象不動産が経済的一体性を有する必要はない。(全く関係のない東京の土地&大阪の土地でもOK)
共同抵当の配当方法は下記の2つ。
共同抵当の目的不動産の全部が同時に競売され、同時にその代金を配当する場合。
各不動産の価額に応じ、按分して債権の負担が分けられる。
共同抵当権者が一分の目的不動産のみを競売し、その代金を配当する場合。
債権の全部の優先弁済を受けることができる。
後順位抵当権者は、共同抵当権者が同時配当の場合に受けただろう金額に達するまで、共同抵当権者が他の不動産について有した抵当権に代位することができる。
- 共同抵当権者は同時配当も異時配当も自由に選択できる。
- 異時配当の場合、どの不動産を先に実行するかについても自由に選択できる。
根抵当権
- 一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額の範囲内で店舗する抵当権。
極度額
- 極度額を定めないと、根抵当権設定契約は無効。
- 極度額の範囲内であれば、元本、利息、遅延損害金のいずれも担保される。
- 他に配当を受ける債権者がいなくても、極度額を超える部分は配当を受け取ることができない。
- 極度額を変更するには、利害関係人の承諾が必要。
- 利息(遅延賠償や違約金も含む)は、満期の到来した最後の2年分だけに抵当権を行使できる。しかし後順位抵当権者に配当したのちに残余がある場合は、2年分を超える利息に付いても配当を受けることができる。
確定期日
- 元本の確定期日を定めなくても、根抵当権設定契約は無効となるわけではない。
- 元本確定期日の変更は、利害関係人の承諾は不要。
元本の確定
- 元本確定前は、根抵当権は被担保債権の残高がゼロになったとしても消滅しない。
- 被担保債権が弁済期に弁済されないというだけで元本は確定しない。
- 法定の完本確定事由が発生すれば、元本確定日の定めがある場合でも、元本は確定する。
元本の確定事由
- 確定期日の定めあり → 確定期日の到来
- 確定期日の定めなし →確定請求
根抵当権設定者による確定請求 … 根抵当権設定から3年経過した場合に可能
根抵当権者の確定請求 … 根抵当権者はいつでも元本の確定請求をすることができる - 法定の元本の確定事由の発生(破産手続き開始決定など)
根抵当権の消滅
- 第三取得者等は、極度額に相当する金額を根抵当権者に支払うか供託することにより、根抵当権の消滅を請求することができる。
譲渡担保
- 譲渡担保は民法に規定がない。
- 動産にも設定できる。
- 諾成契約。要物契約ではない。
- 譲渡担保設定契約の当事者は、譲渡担保権者と設定者。(第三者は当事者とならない)
- 譲渡可能なものであれば、あらゆるものに設定できる。
- 登記・登録制度がある動産に限られない。
- 債権は債権証書がなくてもOK。
- 知的財産にも設定可能。
- 株式もOK。
- 動産の集合物や集合債権でもOK。
譲渡担保の対応要件
- 不動産譲渡担保の対抗要件は登記。(抵当権と同様)
- 動産譲渡担保の対抗要件は引き渡しであるが、占有改定による引き渡しが一般的。
- 占有改定とは物の引き渡しをせずに、意思表示だけで占有権が概念的に譲渡されること。
- 動産・債権譲渡特例法により、動産譲渡登記制度が新たに設けられた。
- 対象は法人が譲渡人である動産譲渡に限定。
譲渡担保の実行
- 裁判所の手続きを通すことなく実行できる(=私的実行。競売にかけなくてもOK。)
- 債権額と目的物の価額に差額が生じる場合は、精算義務を課している。
所有権留保
- 割賦払いで売買した際に、物は買主に引き渡すが、ローン完済するまで所有権は売主に残す制度。
- 売買代金を全額支払えば、所有権は買主に移転する。
- 売買代金を支払えなければ、私的実行(競売にかけなくてOK)できる。精算義務あり。
- 買主が完済する前に目的物を第三者に売却した場合、買主と第三者の間の売買契約が無効になるわけではない。
買戻し
売買契約を締結する際に、売主が一定期間内に売買代金と契約費用を返還すれば、目的物を取り戻せる胸を約束することができる制度。
- 売買契約と同時に買戻特約を結ぶ。(第三者に対抗したい場合は買戻しの登記をする)
- 売買代金と契約費用を売主に返済した場合、売買契約は解除され買戻しができる。
再売買予約
売主が所有物件をいったん買主に売却し、将来買主が売主にその物件を再度売り渡すことについて予約すること。
買戻しも再売買予約も、所有権が戻ってくることに変わりはないが、法的性質が違うよ。
買戻しは売買契約の解除、再売買予約は売買が二度発生する。実務でよく使われるのは再売買予約。民法の規定がないため、自由度が高いからなんだ。
仮登記担保
- 金銭債務を担保するために行う。
- 私的実行できる(競売にかけなくてOK)。
- 精算義務を負う。
人的担保
保証債務
- 主たる債務者が債務を履行しない場合、主たる債務者に代わり保証人が履行の責任を負う。
- 保証契約の当事者は債権者と保証人(連帯保証人)。主債務者の同意は不要。
- 保証契約は書面または磁気的記録によらなければ効力は生じない。
- 保証債務には補充性がある。連帯保証債務には補充性がない。
- 催告の抗弁権
- 検索の抗弁権
- 保証人が債務者から依頼されて保証人になった場合、保証人の請求があったときは、債権者は債務に関する利息、違約金、損害賠償等すべての不履行の有無、残額、弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。
求償権
委託を受けた保証人は一定の場合、事前求償権を行使できる。
委託の有無 | 事前求償権 | 事後求償権 ()内は求償額 |
---|---|---|
委託を受けた保証人 | あり | 完璧な求償が可能(1位) |
委託を受けない保証人 | なし | 債務者の意思に反しないで保証人になったとき(2位) |
債務者の意思に反して保証人になったとき(3位) |
共同保証
- 共同保証とは保証人が複数いる場合をいう。
- 分別の利益は、複数の保証人がいる場合、保証債務額は保証人の数に応じて分別されることをいう。
- 共同保証人が自分の負担部分を超える弁済をした場合、債務者だけでなく共同保証人にも求償できる。
連帯保証債務
- 民法上は、保証人が債務者と連帯して債務を負担する旨の合意がなければ連帯保証債務とはならない。
- 商法上は主たる債務が商行為により生じた場合、連帯保証の合意がなくても連帯保証債務となる。
- また、保証が商行為の場合、連帯保証とする旨の合意がなくても連帯保証債務となる。
- 連帯保証債務には補充性がなく、催告の抗弁権、検索の抗弁権をもたない。
- 連帯保証債務には分別の利益はない。
根保証
- 根保証とは、一定の期間、継続的に発生する債務を担保する保証のこと。
- 個人根保証契約…一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約であって、補償にが法人ではなく個人の場合のもの。
- 極度額の定めのない個人根保証契約は無効。
- 確定期日の定めがない根保証契約は有効。
- 事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約は、公正証書で保証債務を履行する意思を表示しなければ効力を生じない。
代物弁済
- 債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることを代物弁済という。
- 代物弁済は契約であるので、債権者の承諾が必要。
準消費貸借契約
- 買主と売主が売買契約を締結。代金は1,000円。
- 買主は900円支払った。残り100円はすぐに払えない。
- 売主は買主に100円を貸したことにする。(100円の金銭消費貸借契約)
→実質的には支払期限の延期という意味をもつ。
債権譲渡
- 将来債権(まだ発生していない債権)の譲渡も有効。
- 債権譲渡は譲渡人と譲受人の合意によりおこなう。第三者の合意は不要。
- 債権者と債務者の間で譲渡禁止特約をすることもできる。
- 譲渡禁止特約に違反する譲渡も有効。
- ただし悪意又は重過失のある譲受人に対しては、その債務の履行を拒絶できる。(債務者はあえて譲渡人に払う)
債務者に対する対抗要件
①譲渡人から債務者に対しての債権譲渡の通知
あるいは
②債務者から債権譲渡の承諾
- 譲受人は通知できない。
- しかし譲受人が譲渡人の代理人として通知することを認めている。
- 承諾は譲渡人、譲受人、どちらにしてもよい。
第三者に対する対抗要件(二重譲渡があった場合)
- 民法では債権の二重譲渡があった場合、どちらが優先するかは確定日付の証書(内容証明郵便等)による通知又は承諾があるか否かによる。
・到達の先後で決まる。
- 「承諾の日付」と「通知の到達」の先後で決まる。
債権譲渡特例法(債権の登記)
- 法人が譲渡人である場合、債権譲渡特例法を適用することもできる。(任意)
- 第三者対抗要件として、確定日付のある通知又は承諾に代えて、債権譲渡登記することを認めている。
- 二重譲渡された場合、「確定日付のある証書による通知の到達」と「債権譲渡登記具備」の先後で優劣を決定する。
- 登記しただけでは債務者に払えとは言えないため、登記事項証明書を交付して通知するか、第三債務者が承諾する必要がある。
債務者の抗弁
- 債務者は債権譲渡されるまでに譲渡にに対して言えたことは、譲渡人に対しても言える。
債務引受
- 引受人が原債務者とともに債務を負う(連帯債務)
- 「債務者と引受人の契約」、または、「債務者と引受人の契約+債権者の承諾」により効力を生ずる。
- 引受人のみが債務者となり、原債務者は当該債務を免れる。
- 「債権者と引受人の契約+債権者が債務者に対する通知」または「債務者と引受人の契約+債権者の承諾」により成立する。
相殺
- 両当事者がお互いに同種の債権債務を持っている場合に相殺できる。
- 一方の当事者の意思表示で相殺できる。相手の承諾は不要。
- 債権額が異なっていても相殺できる。
相殺適状
- 相殺の要件を満たした状態を相殺適状という。
- 相互に相手方に対する債権を有すること。
- 双方の債権が同種である必要がある。
- 原則、自働債権と受働債権の弁済期が到来している必要がある。
- 例外として、自働債権の弁先が到来していれば、相殺することができる。
- 自働債権に対して、相手方が抗弁権(同時履行の抗弁権など)を有するときは相殺できない。
- 当事者間で相殺禁止特約がある場合は相殺できない。
- 受働債権が悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権のとき
- 受働債権が人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権のとき
- 受働債権が差押えを受けた時(受働債権の差押え後に取得した債権を自働債権とする相殺は、差押債権者に対抗できない)
- 受働債権が株式払込請求権であるとき
債権者代位権
- 債務者が第三者に対して有する債権の請求を怠っているとき、債権者が債務者に代わってその権利を行使し、債務者の財産を維持する。
- 被保全債権が存在し、その弁済期が到来していること。
- 債務者が無資力であること(債権者が自己の権利を保全する必要があること)。
- 債権者代位権は裁判上・裁判外で行使可能。
- 債権者代位権は債権者自らの名を持って行使し、債務者の代理として行うものではない。
- 代位債権者の被保全債権の範囲に限定される。
- 金銭や動産の引き渡しの場合は、代位債権者へ引渡請求(支払請求)できる。
→「Bが受け取る」作業が必要だから。 - 一方、不動産の場合は、登記名義を債務者名義とするよう請求することができる。
→登記は「Bが受け取る」作業が不要だから。
詐害行為取消権
詐害行為取消権とは、債権者が債務者の財産減少行為や偏頗弁済などの行為を取り消すことができる権利。債権者の請求によって、債務者の責任財産を保全し、債権を回収できる可能性を高めることを目的としています。
詐害行為取消権の要件
- 他に財産がないのに、その財産を減らすようなことをすること
- 詐害行為時に無資力であっても、その後資力が回復すれば、詐害行為取消権を行使できない。
債務者の悪意は、取消債権者が立証しなければならい。
受益者が悪意がなかったことを立証しなければならない。
受益者が悪意で、転得者が善意である場合
- 債権者は転得者を相手として詐害行為取消権を行使できない。
- 受益者に対して詐害行為取消権を行使して、価格賠償を求めることができる。
受益者が善意で、転得者が悪意である場合
- 受益者が善意の場合は、転得者が悪意の場合でも、債権者は詐害行為取消権を行使することはできない。
- 不当な廉価によって売却した場合は詐害行為となる。
- 相当価格処分行為についても、詐害になる可能性がある。
- 抜け駆けをしてある債務者だけに弁済する(偏頗(へんぱ)行為)も詐害行為になることがある。
- 過大な代物弁済について、「過大な部分」については、詐害行為取消権を請求することができる。
- 財産分与は詐害行為とならない。
- 詐害行為取消権は裁判上でしか行使できない。
債権者代位権は裁判でも裁判外でも行使可能だった。
詐害行為取消権は裁判のみ。
- 詐害行為取消権を行使する相手方(被告)は受益者または転得者であって、債務者は相手方とはならない。
- 取消債権者が勝訴すると、債務者・受益者間の詐害行為が取り消され、目的物の返還請求か価額の償還を請求する。
- 現物返還が原則であるが、現物の返還が困難な場合は価格賠償される。
- 直接、取消債権者ほ引渡請求は認められないが、金銭の支払いや動産の引き渡しについては、直接自己への引渡請求をすることができる。
仮差押え
- 金銭債権の執行保全の目的で、債務者の財産の処分を禁じる裁判所の決定を仮差押えという。
- 仮差押えの目的物権は、差押禁止財産でなければなんでもOK。
- 仮差押えの効力は、処分禁止効。
- 仮差押しただけで、目的物権から優先弁済を受けられるわけではない。
- 他の債務者が仮差押物件に対して強制執行することは妨げられない。
- 二重仮差押えも可能。
- 被保全債権は「金銭債権」でなければならい。
- 被保全債権の弁済期が到来していなくても仮差押えは認められる。
- 債務名義は必要ない。
仮差押命令の取得手続きの詳細
仮差押命令の申立要件として、火保全債権の存在と、仮差押えの必要性を疎明(そめい)することが必要。
- 証明…合理的な疑いをさしはさまない程度に真実らしいとの確信がある
- 疎明…一応確からしいと推測される
仮差押命令の発令に際して、差権者は担保(保証金)を供託することが必要。
仮処分
- 仮処分は仮差押えと並ぶ民事保全の一種であり2種類ある。
- 金銭債権以外の債権の強制執行を保全するため、現状維持を命ずるもの。
- 例えば自分の土地に他人が登記しており、転売を防ぐために登記の抹消請求を行う。
- あらゆる紛争の解決に認められ、係争中に生じている損害から差権者を保護するためのもの。
- たとえば特許権者が特許を守るための実施差止請求。
- 仮処分命令を発するに際し、裁判所より担保を立てるよう命じられることがある。
強制執行
- 強制執行の申立をするには、債務名義が必要である。
- 確定判決
- 和解調書
- 調停調書
- 強制執行認諾文言付公正証書
強制執行認諾文言付公正証書のみ裁判所が関与しない。よって制限があり、被保全債権は均セインの一定額の支払い等に限られる。
- 強制執行手続きと混同しやすいのは担保権の実行であり、それは強制執行とは異なり、債務名義は不要である。
- 債務名義のみで強制執行することはできず、執行文が必要となる。
- 強制執行の目的物権は、法律で禁止されていない限り、およそ財産的価値があり換価可能なものであればOK。
- 超過差押(弁済に必要な範囲を超えた差押え)はできない。
- 債権について、差押債権者は、債務者に対して差し押さえ命令が送達した日から1週間を経過したときは、その債権を自ら取り立てることができる。
他の債権者との関係
すでに差し押さえられた不動産あるいは債権について、更に差押えを行うこと。
すでに他の債権者の申立により進行している民事執行手続きに参加すること。
- コスト面では配当要求のほうが安価。
- ただし、Aの手続きに影響されるデメリットもある。
金銭債務を主張して配当にあずかる
債権名義を持っている者
- 二重差押え
- 配当要求
- 差押えの登記時点で仮差押の登記があるときは、自動配当される。
債権名義を持っていない者
- 仮差押の登記が差押えの登記に先行するときは、自動配当される。
- それがなければ、仮際押さえの登記をしたうえで配当要求する必要がある。
債権名義を持っている者
- 二重差押え
- 配当要求
債権名義を持っていない者
- 配当要求できない
※債務名義の有無にかかわらず、仮差押えをすれば第三債務者が供託し、自動配当を受けることができる。
担保権を主張して配当にあずかる
- 差押えの登記以前に設定登記がある場合は、自動配当が受けられる。
- 一般の先取特権者(給与請求等)は、二重差押えの他、配当要求も可能。
※差押えに優先弁済効はない。