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FMの標準業務サイクル

FMのプロジェクト管理で対象となる業務
- 不動産取得
- 建物建設
- 大規模修繕
- 不動産賃貸借
- ワークプレイスづくり

中長期実行計画に基づいてプロジェクトを推進し、実行していく!
FMの中長期実行計画の目的
ファシリティの構成変更を伴う供給評価に基づく供給計画、継続使用を原則とする品質評価に基づく改善活動を示した品質計画、両方に係る財務計画を立案し、策定すること。
「構成変更」が出てくるのは、ファシリティマネジメントが単なる修繕ではなく、経営戦略に応じた適切な空間の提供・供給を含むから。そのため供給評価は、単なる品質維持ではなく、構造的な見直しや再構築の視点を含む。
- 供給計画・財務計画 … 移転、立替、増床、処分などを伴う
- 品質計画・財務計画 … 継続使用を原則とする(原則として施設の増減を伴わない業務活動における品質面での改善計画)
- 中長期実行計画ではFMの戦略を具現化するために、中長期および単年度の全ファシリティーの需給計画、施設総合計画、財務計画などを立案する。
- FM目標は、施設の運営計画からではなく、経営策から導かれるものである。
- 施設投資予算とは、全実行計画の投資及びファシリティの増減に関わる予算を年度ごとにまとめたもので、主な項目は施設投資、施設除却、補償金。
FMの統括マネジメント業務
①権限と責任をもつFM組織体制の構築 …全施設資産の統括管理権限、FM関連プロジェクトの統括管理権限の設定
│
②各業務を統括し、PDCAを回すFM組織の運営 …FM部門の自己評価と学習・成長の推進
│
├③FMの財務管理 …社内課金の支援、関係部門へのデータ提供、ファシリティコスト管理会計と施設資産管理
├④一元的なデータ管理 …プロジェクト管理関連情報、PJ管理関連情報の管理
└⑤標準と規定の策定・運用 …運営維持標準、財務標準、承認規程・契約規程の策定・運用
FMの権限と責任

- 権限と責任を持つ最高経営責任者の理解と承認を得て経営資源の全体最適を図る。
- 人事、ICT、財務、FMの4つが連携して経営基盤の強化を図る。
標準策定
- 施設標準
土地、建物、機械、設備、ワークステーションなどの施設に関する標準 - 環境標準
室内環境、アート、グリーン、防災、安全、健康などの環境に関する標準
施設の面積を単位面積として標準したもの。
基本的に、一人当たりの面積として㎡/人で表す。
ファシリティを使う段階での運営維持業務を、ある水準に保つために設定される標準。
- 財務標準
ファシリティコスト、施設資産、施設投資に関する標準 - 調達標準
購入する商品やサービスに関する標準(家具、什器の寸法、規格、型番、価格、リサイクル性)
シナリオプランニング
- 将来のビジネス環境の予測範囲内でシナリオを構築する。最低限でも、基本、最良、最悪の3シナリオを作成する。
- トリガーとはビジネス環境の変化で、あるシナリオから別のシナリオに変更する兆候を示す指標であり、そのモニタリングはできれば半期ごとに行う。(ビジネス環境は半年〜1年スパンで変化することが多い)
基本方針の作成時に整理すべき項目
- 重要なことは、経営の視点から明確に示すこと。
- 施設規模、品質グレード、投資予算、工程など様々な項目に整理する。
- 施設の将来構想やFM標準、ガイドラインなどを含む組織内外の規定の把握が必要。
- プロジェクトの推進に必要な要素(ヒト、モノ、カネ、時間、情報)について計画を記述。
- 実行体勢、スケジュール、管理方法、実行予算などをまとめる。
営業外損益計算
固定資産売却損益 = 売却価額 -(残存簿価 + 売却にかかった経費)
残存簿価200万円の機械を、300万円で売却、手数料20万円かかった場合。
300万円(売却価額)
- 200万円(残存簿価)
- 20万円(売却経費)
= +80万円(営業外収益)
VEとは
バリューエンジニアリング(VE, Value Engineering)の目的は、
最小のコストで、必要な機能・品質を確保し、価値(Value)を最大化すること 。
もう少し具体的に言うと:
- 製品やサービス、プロセスなどの 機能を分析 し、
- ムダなコストを削減 しながら、
- 必要な機能・品質は落とさない、むしろ改善する。
つまり単純なコストカットではなく、
「同じ(またはより良い)価値を、より効率的に実現する」ことが目的。
ライフサイクル的視点で経済的な最適解を求める。

イニシャルコスト視点ではない。
プロジェクトの完了時評価
- 完了時評価の目的
①FM戦略・計画へフィートバックすること
②経営層に報告すること - 要求条件実現度は、要求条件の項目について、その実現達成度を評価するもの。
- 利用者満足度調査は、利用者の満足度がどのように変化したか評価するもの。
ファシリティの満足度評価
- 利用者満足度調査は、利用者自身の思いや要望を把握する主観的な調査である。
- ハネムーン効果:導入直後に「実際以上に良く見える」
- シンデレラ効果:時間が経つと「実際以上に悪く見える」
運営維持の予算策定
運営維持の予算は、経営方針やビジネスニーズに沿って、 FM全体の財務目標の一環として、 FMの標準業務の”中長期実行計画”に組み込まれる形で立案し、 全社的な経費予算及び投資予算の中で審議・決定される。

運営維持の予算は、FM全体の財務目標の一環として、 FMの標準業務の”中長期実行計画”に組み込まれる形で立案。
予算策定の手順は、部門ごとの施設面積や入居者の把握、 施設に対する様々な要求の確認及び実行計画を検討することから始め、 次に個々の施設の運用実績に基づいて、 必要費用を積み上げ、目標額とのすり合わせや調整を行う。
- 経営方針やビジネスニーズを踏まえる。
- FM全体の財務目標の一環として設定。
- FM標準業務の中長期実行計画に組み込み。
- 全社の経費予算・投資予算の一部として審議・決定。
① 現状把握
- 部門別の施設面積を把握。
- 入居者数・利用者数を把握。
② 要求事項の整理
- 各部門・利用者からの施設に対する要求を確認。
③ 実行計画の検討
- 要求に基づき、中長期の実行計画を立案。
④ 費用の積み上げ
- 個々の施設の運用実績データをもとに必要費用を算出。
例:光熱費、保守費、修繕費、清掃費、人件費など。
⑤ 目標額との調整
- 財務目標・予算上限と照らし合わせ、調整・優先順位付け。
⑥ 全社予算への統合
- 経費予算・投資予算の一部として全社で審議・決定。
運営維持の評価では、
・ユーザーは利用満足度評価
・FM部門はサービス提供者に対する評価
を行う。
| 視点 | 内容 | 主体 | 評価対象 |
|---|---|---|---|
| ユーザー評価 | 利用体験の満足度 | 施設の利用者 | サービスの結果(成果) |
| FM部門評価 | 提供サービスの実行レベル | FM担当者 | 委託業者や自部門の実行力 |
運用・サービス業務
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」では、 事務所ビルは3,000平方メートルを超えた場合、特定建築物となり、 建築物環境衛生管理技術者の専任が必要となる。
多数の人が利用する大規模建築物(例:オフィスビル、商業施設、学校等)において、環境衛生上必要な措置を定め、衛生的な環境を維持することで、公衆衛生の向上を目的とする法律。
不特定多数の人が使用する大規模な建築物
用途:興行場、百貨店、店舗、事務所、学校(研修所含む)、旅館など
規模:延べ床面積が 3,000㎡以上(学校は8,000㎡以上)
建築物環境衛生管理技術者(通称:ビル管理技術者)とは、
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」に基づき、
特定建築物の衛生的環境の維持管理を総括的に管理する責任者。
施設の運用管理項目は、テナントとして入居する賃借施設より、自社所有施設の方が多くなる。

自社施設のほうが大変!
雑音と騒音
✅ 定義
「うるさい音」「不快な音」という主観的・社会的な意味を持つ。
単に音の強さ(デシベル)が大きいだけではなく、
- 人にとって迷惑・苦痛・邪魔になる
- 周囲の静けさを乱す
といった「被害性・迷惑性」が意識される。
✅ 例
- 工事現場のドリル音
- 鉄道や車の走行音
- 隣人の大声や音楽
✅ 補足
法律や行政上は「環境基準」を設けて管理対象とされる(例:環境基本法の騒音規制)。
✅ 定義
意味を持たない混ざった音。
主に物理的・技術的な用語で使われ、
- 信号や話し声に混じり込む不要な音
- 情報の伝達を妨げる余分な音
を指す。
✅ 例
- ラジオや電話の「ザー」というノイズ音
- 音声録音時の風の音、マイクノイズ
- 機械から出るバックグラウンドノイズ
✅ 補足
雑音は物理的な「ノイズ」の意味で、必ずしも不快さや迷惑さを伴わない。
維持保全
日常的な点検、保守
目視での確認など、五感を駆使して調査する。
あるいは運転・監視データの異常などにより、当該点検箇所に出向いて調査する。
定期的な点検、保守
必要に応じて各分野の専門家が加わり、チェックリストなどによりもれなく実施する。
詳細劣化診断
予備調査と現地調査からなり、中期修繕・改修計画の策定に必要な情報や資料を整えるために実施する。
計画的な保全
中期修繕計画に基づいて、中期5年での修繕、改修計画を立案して、財務部門などと調整し、予算を確保したうえで実施する。(長期修繕計画の期間設定は、一般的に50年程度を目安としている。)
簡易劣化診断
設計図書などの資料の確認と検討、必要項目のヒアリングを主として行い、現地調査は原則的には行わない。
- 定期点検→専門家が加わる。チェックリストを使う。
- 詳細劣化診断→予備調査と現地調査からなる。計画策定のために実施する。
- 計画的な保全→中期修繕計画に基づいて実施する。財務と調整し予算を確保して実施する。
- 簡易劣化診断→現地調査は原則行わない。ヒアリングは行う。
- 計画的な保全とは、建物を長期にわたって有効に活用するための保全であり、戦略性、機能性、社会性のバランスの中で実行計画を策定し実施していくことが重要。
- 戦略的な保全とは、例えば用途変更への対応のように、企業の経営計画との関連の中で建物や設備の改修や更新などを行う保全のことである。
- 予防的な保全とは、建物や設備の劣化に対し、安全・安心・快適に使用できる機能・性能を計画的に維持する保全のことである。
- 改良的な保全とは、利用者の要求の変化、当初の水準を超えた要求の高度化に対応するために行う保全である。
運営維持
| 保守 | 認識された機器や設備の異常に対して、注油、消耗部品交換汚れの除去などを行うこと。 |
| 修繕 | 劣化した建物、設備、内装などを当初の性能、機能まで回復すること。 |
| 改修 | 劣化した建物、設備、内装などを当初の性能、機能を超えるレベルまで回復すること。 |
| 監視 | 建物のハード面について、異常がないか、劣化状態がどうかを調査すること。 |
| 保全 | 建物のハード面について、当初の性能機能を維持し、時代のニーズ変化に対応すること。 |
| 用語 | 定義 | 主な目的 | 例 |
|---|---|---|---|
| 保守 | 機器やシステムを良好な状態で使い続けるための維持管理全般 | 正常稼働の継続 | 定期点検、清掃、部品交換、ソフトウェア更新 |
| 保全 | 機器や設備の故障予防・寿命延長のための計画的対応、または故障後の修理 | 性能維持・延命 | 予防保全(定期メンテ)、事後保全(故障修理) |
- 保守 = 維持管理全般(運用も含む)
- 保全 = 故障予防・延命のための技術的措置
FMのソーシング戦略
- アウトソーシング:外部のサービス提供者に 業務の企画・計画から運営までを包括的に委託する方式
- アウトスタッキング:委託者が 企画・計画を行い、サービス提供者は 業務の実行のみを担当する方式。
- 一般的にFMの計画・管理業務は社内の人材が行う場合が多い。

発注側から見ると、アウトソーシングの方がラク。
- 「コアコンピタンス経営」とは、
企業が持つ独自の中核的能力(=コアコンピタンス)を明確にし、
それを軸に競争優位を築く経営手法のこと。
性能発注方式(運営維持の戦略的アウトソーシング)
- 戦略的なアウトソーシングでは、委託者とサービス提供者があらかじめ協議して業務の範囲やサービス基準を定める。
- 性能発注方式では、業務委託の範囲、達成するサービス基準は、委託者がサービス提供者と協議し、決定するのが望ましい。
- SLAは性能発注におけるサービス品質の保証書としての役割を果たすが、サービス品質を判定するためにはKPIが必要となる。
- 委託者とサービス提供者は、あらかじめ設定したコスト削減目標について、同等もしくはそれを超えるコスト削減が達成された場合、成功報酬として両者で還元分配する枠組みを設ける。これは性能発注方式契約の特徴。仕様発注方式契約ではない。
- サービス提供候補者は、受領した提案依頼書(情報提供依頼書ではない)に基づき、見積や提案書、求めがあればプレゼンを行う。
- SLAは委託者とサービス提供者で取り決めた評価以外に、ユーザーの立場からサービス品質の確認が定期的に行えるように設定する。(「契約上の評価」と「実際の利用体験」のズレを防ぐため?)
- モニタリングでは、実務実施担当者以外のものが、合意した指標が継続的に守られているか、定期的に提出される報告書の記載内容が適正であるかを確認する。
SLA(Service Level Agreement, サービスレベル合意書)
委託者と受託者の間で取り決める「サービス品質・提供条件に関する合意書」。
→ 何を・どの程度の質で・どの範囲で提供するかを明確化。
KPI(Key Performance Indicator, 重要業績評価指標)
サービス品質や目標達成度を定量的に測る具体的な指標。
→ 測定可能な数値や割合(例:応答時間、稼働率、清掃後のダストレベルなど)。

照度基準
目的:労働災害防止・最低限の労働環境確保
基準値(最低値)
- 精密な作業:300ルクス以上
- 普通の作業:150ルクス以上
- 粗な作業:70ルクス以上
あくまで 最低限守るべき法的義務。守らないと違反になる。
目的:作業効率の向上・快適性・健康(眼精疲労の防止など)
推奨照度例(作業面照度、代表的なもの)
- 一般事務室:750ルクス
- 会議室:500ルクス
- CADや設計作業:750~1500ルクス
- 倉庫(出入り口付近など):200ルクス程度
法律ではなく「推奨値」
| 作業の区分 | 照度 |
|---|---|
| 精密な作業 | 300lx以上 |
| 普通の作業 | 150lx以上 |
| 粗な作業 | 75lx以上 |

ある面に入射する光の明るさを示す。
単位はルクス(lx)
照度(lx)=光束(lm)÷面積(㎡)
SOFモデル
SOFはJFMAのオフィス・ワークプレイスの知的生産性研究部会が研究開発を進める、知的生産性を支える場としてのパークプレイスを評価し進化させていくためのツール。
S Style(働き方)
O Oragnization(組織)
F Facility(ファシリティ)

クロス集計分析
(例)オフィスの満足度調査結果

- 満足度調査は原則として事前と事後に行い、改善が適度であったかを確認する必要がある。
FMの評価項目
| 快適性評価 | 室内の熱、空気などの環境について評価する項目。利用者の生産性にも影響。 |
| 耐用性評価 | 施設の物理的な劣化に対する性能。フレキシビリティ、更新の容易さを評価する項目。 |
| 施設資産性評価 | 土地、建物、賃貸等の不動産の全体最適化、有効活用を図るために、これらを財務的に評価して課題を抽出。 |
| 環境性評価 | ライフサイクルアセスメント、地球温暖化対策を進めるために有効である省エネルギー性評価などが、その性能を評価する技術。 |
| 安全性評価 | 企業が持つファシリティの防災性や防犯性、機能継続性を評価する項目。 |
安全性評価
| 安全性 | 防災性 | 防災性 | 耐震性 | 構造体建築 非構造部材 建築設備の耐震性能 |
| 耐火性 防火性 非難安全性 | ||||
| 耐震水性 | ||||
| 耐風性 | ||||
| 耐落雷性 | ||||
| 防犯性 | 施設の防犯性 | 警戒線の設定 施錠管理方式 機器による機械・防御 | ||
| 情報セキュリティシステム | 情報システム管理 | アクセス管理 | ||
| 多重化 バックアップ | 二重化や アックアップ | |||
| コンピュータウイルス対策 | ウイルス侵入対策 | |||
| 機能継続性 | 機能継続性 | 電力供給機能 通信機能 給排水機能 空調機能 備蓄機能 |
耐用性評価
| 耐久性 | 構造体、建築非構造部材、建築設備等の耐久性 |
| 可変性(フレキシビリティ) | 階高、床荷重、設備容量等の余裕度、機器・システムの可変性。 |
| 整備性(メンテナビリティ) | スペース・搬出入ルート、材料・機器・ディテール |
| 更新性 | 道連れ工事の最小化、更新周期を考慮した機器選定、廃棄物発生量の制御 |
FMの品格性評価
- 地域性
- 景観性(美観性)
- ブランディング
- ホスピタリティ
- 運営維持段階の品格性
※空間性(広さ・高さ)は快適性の評価項目。
アウターブランディング … 顧客やステークホルダーに対して自社のブランドの価値を理解してもらう
インナーブランディング … 社員に企業価値やビジョンを理解させ共有する活動
立地選定にあたっては、経済性や利便性の側面だけでなく、ゲニウス・ロキに配慮することで、すぐれた地域性の向上に寄与する。
「ゲニウス・ロキ(genius loci)」はラテン語で、直訳すると「場所の精霊」や「土地の守護神」という意味。
もともとは古代ローマで、その土地や場所に宿る守護的な霊的存在を指したが、現代では建築・都市計画・ランドスケープデザインなどで 「その場所が持つ固有の雰囲気・性格・精神性」 を指す概念として使われている。
設計や計画において「ゲニウス・ロキを尊重する」というと、その場所の特性や歴史を活かし、無理に壊さずに調和させることを意味する。
ファシリティコスト評価
MNコストチャートによる評価
企業単位で、施設にかかるコストの効率性を総合的に評価し、改善課題を見出すためのツール。

単位コスト評価
官公庁等売り上げがない団体、会計士事務所や弁護士事務所などプロ主体の施設の評価には「1人あたりファシリティコスト」を用いる方法がある。
ファシリティコスト評価とFMベンチマーキングの手順
- STEP1: ファシリティストデータの収集
- STEP2: 比較検討が可能な集計、データベース化
- STEP3: 数値の見える化、レポート作成
- STEP4: 建物単位評価、単位コスト評価
- STEP5: 建築単位、㎡単位の原単位化
- STEP6: ベストプラクティスとの差のベンチマーキング
- STEP7: 差異分析(どこが違うのか、学ぶべき点は何か)
- STEP8: 自社設備への応用
- STEP9: アクションプラン(具体的な実行計画策定)
- STEP10: 実行とその結果の評価

データを集めて → 整理して → 見える化して → 評価して → 比較して → 改善する
施設資産評価
- 賃貸等不動産は「投資その他の資産」である。
- 自社が使う事務所ビル … 有形固定資産
- 貸し出して賃料を得るオフィスビル … 投資その他の資産(賃貸等不動産)
- ガバナンス … 統治・管理の仕組み
- レジリエンス … 困難や変化への回復・適応力
- 賃借ビルの契約で原状回復義務がある場合、費用を見積り、貸借対照表の負債に計上する。
- 事業用資産について、時価が簿価を下がったときにだけ時価評価が適用されるのは減損会計と言われる。
意味:資産の帳簿価額が回収可能額を上回る場合、その差額を損失として帳簿価額を引き下げる会計処理
対象資産:主に固定資産(有形・無形・投資不動産など)
評価のタイミング:回収可能額が下がったときに限り、帳簿価額を見直す
意味:資産や負債を市場の時価(公正価値)で評価し、財務諸表に反映させる会計処理
対象資産:主に金融商品(有価証券、デリバティブなど)
評価のタイミング:期末ごとに継続的に時価評価し、評価差額を財務諸表に反映する
投資評価手法
投資したお金を何年で回収できるか(元が取れるか)を計算する投資評価の方法。
比較的短期間の投資評価として用いられる。
✅ メリット
- 計算が簡単で直感的。
❌ デメリット
- 回収後の利益を無視する。
- 時間価値(お金の現在価値)を考慮しない。
初期投資:100万円
毎年キャッシュフロー:20万円
100万円 ÷ 20万円 = 5年
→ この投資は5年で元が取れる。
- 投資によって生じる年の平均現金流入額を投資額で割った比率が、目標利益率より大きければ、その投資案を採択する。
- 比較的短期間の投資評価として用いられる。
- 貨幣の現在価値を考慮しない。
正味現在価値法(NPV法:Net Present Value)は、投資案やプロジェクトの経済的な採算性を評価するために使用される。つまり、「この投資は将来的に利益を生むのか?」を判断するための代表的な投資評価手法。
不動産投資全般や取得賃貸などの比較に利用される投資評価。
投資によって将来得られるキャッシュフローの現在価値の合計から、初期投資額を引いた値を計算し、
その投資の採算性を評価する方法。
簡単に言うと、将来のお金の価値を今の価値に換算して、
「いま投資する価値があるか」を見る。

NPVがプラスならGO!マイナスならNG!
将来のキャッシュフローの割引現在価値がゼロになる利回りを計算し、
それが目標利回りを超えるかを見て投資判断する方法。
1️⃣ 今、100万円を投資する。
2️⃣ 毎年20万円のキャッシュフローが5年間得られる。
3️⃣ この投資のIRRは 約15%(つまり、年利15%の投資と同じ価値)。※計算方法は割愛
もし会社の要求利回りが10%なら → 投資OK。
もし要求利回りが18%なら → 投資NG。
- 割引率を適用した施設投資評価手法は将来のリスクを見込んだ手法であり、FMの施設投資評価の際は最高財務責任者(CFO)が定める目標利益率(ハードルレート)を適用する。
ライフサイクルコスト評価
- 建物複製価格は、建築物価動向の変更の都度見直す必要はなく、10年程度の間隔で見直す。
- ライフサイクルコスト関連評価で対象とする保全費用は、中期修繕・改修計画で作成される実行予算レベルの保全費用である。
→LCC評価のときは、単なる机上の理想値や概算値ではなく、
中期修繕・改修計画に基づいて作られた、具体的かつ実行可能な予算ベースの保全費用を使うべきだ。 - PI値が高いことは、建物の性能改良に高い費用がかかることを意味する。
PI値が高い=性能不足が大きい → 改良範囲・内容が増える → 改良コストが高くなる - 残存不具合率(FCI)と性能評価(PI)の総和を建替評価(NI)という。
立替評価NI=残存不具合率(FCI)+性能評価(PI) →75%を超えると建替を考慮する。 - FCIを活用した保全費用の目標管理において、中期修繕・改修計画の保全予算要求額は、
「期首残存不具合額+純増不具合額」である。
FMの標準
| 標準の名称 | 詳細 |
|---|---|
| ファシリティ標準 ※2つある! | ①施設標準…土地、建物、設備、WSなど ②環境標準…アート、グリーン、防災、健康など |
| 面積標準 | 一人当たりの ・有効面積 ・執務室面積 ・業務支援面積 |
| 運営維持標準 | SLA オフィスマニュアル ユーザーガイド |
| 財務標準 | ファシリティコスト標準 施設資産に関する標準 |
| 調達標準 | 家具標準 グリーン購入のように消耗品の調達までを含めて地球環境保全の視点から定める場合もある |
建築基準法では「建築面積」「延べ面積」「床面積」など複数の面積区分があり、それぞれ計算方法が違う。
1.建築面積(けんちくめんせき)
定義:建築物を水平投影した部分の水平投影面積
→ いわゆる「建物の建っている部分の地面に対する投影面積」
計算ルール
原則:外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積
2.延べ面積(のべめんせき)
定義:建築物の各階の床面積の合計
計算ルール:
各階の床面積を合算
容積率制限に関する延べ面積では以下の緩和あり:
地下室(住宅用途に限る)の床面積の1/3を算入しない
車庫の床面積の1/5を算入しない(一定条件あり)
3.床面積(ゆかめんせき)
定義:各階ごとに、壁や柱の中心線で囲まれた部分の面積
計算ルール:
階ごとに算出し、延べ面積の基礎となる
4.敷地面積(しきちめんせき)
建築基準法上は「敷地」の定義はあるが、算定方法は明確な規定なし。通常は登記簿や測量図による。
建ぺい率・容積率の計算に使用。
5.建蔽率
建ぺい率 = 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100
6.容積率
容積率 = 延べ面積 ÷ 敷地面積 × 100
有効面積
- 定義:利用者が専用に使える部分の面積。
- 計算方法:建設延べ床面積から共用面積・機械諸室面積・駐車場面積を除いた面積。
損失面積
- 定義:壁芯(壁の中心線)で測った面積と、内法(壁の内側)で測った面積との差。
- 具体例:
- 芯計と内法計測の差は約5〜8%。
- ファンコイルユニットや点検口、独立柱などによりさらに面積が減少し、場合によっては10%程度の損失が発生。
- 意味:賃貸契約では芯計測の有効面積を契約面積とする場合が多く、実際に使える面積は損失分を差し引いた値となる。
オフィス面積
- 定義:有効面積のうち、業務を行うスペース。
- 内訳:執務室面積、役員専用面積、個室執務面積、業務支援面積、情報管理面積、生活支援面積、通路面積など。
スペース利用率
- 実際に利用されているスペースの割合。
- 実際に利用していないスペースを明確にし、対策を立てるための評価。
有効率・レンタブル比
- 建物レベルの利用度(建物の性能)を評価する指標
- 有効面積を対象とする評価で2種類ある
- 一般的に使用されるのは基準階を対象とした有効率
- 有効率75%とは、基準階床面積のうち、有効面積が75%を締めるということ。
スペース配分率
- 必要な機能がバランスよく供給されているかどうかを判断するための指標
FMで活用される情報システム
| 略称 | 主な目的・役割 |
|---|---|
| CAFM Computer-Aided Facility Management | 建物・設備・面積・資産などの情報を管理し、FM業務を可視化・効率化するシステム →オフィスレイアウト管理、家具什器管理 |
| BIM Building Information Modeling | 建物の3Dモデルに属性情報を付加し、設計・施工・維持管理までを一元管理する →PC上に作成した形状情報に加え、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築する |
| ERP Enterprise Resource Planning | 企業の人・物・金・情報を統合的に管理し、全社的な業務効率を高める →経営情報の有効活用という視点から統合化したソフト |
| CMMS Computerized Maintenance Management System | 設備の点検・修繕・履歴などの保守業務をデジタルで管理する →FMの運営維持業務の中では維持保全の業務が中心に置かれる |
| BEMS Building Energy Management System | 建物のエネルギー消費(電気・空調・照明等)を監視・制御し、節電・省エネを支援 →設備の運転状態を監視、制御、記録 |
FM戦略策定業務プロセス

調査分析手法
1. 財務分析
企業の財務諸表(貸借対照表・損益計算書など)を用いて、収益性、効率性、安全性などの経営状態を把握・評価する手法です。例:売上高利益率、自己資本比率など。
2. KJ法(川喜田二郎法)
複雑な問題を整理・構造化するためのアイデア整理法です。意見やデータをカードに書き出してグルーピングし、関連性を見出して全体構造を明らかにします。


覚え方:KJカード!
3. デルファイ法
専門家の意見を匿名で収集・集約し、数回のフィードバックを通じて合意を形成する手法です。未来予測や意思決定に使われます。
※「正解のない課題」に対して、知見ある人々の合意を引き出すための有力な手法

匿名性:
回答者(専門家)は互いに誰かを知らないため、忖度や権威バイアスを排除できる。
多回実施:
複数回のアンケートを繰り返し行うことで、意見の収束を促す。
フィードバックあり:
前回の集計結果や他者の意見がフィードバックされ、参加者が自分の意見を見直す機会がある。

覚え方:専門家デルファイ♪
4. 特性要因図(フィッシュボーン図/石川ダイアグラム)
問題の「原因」と「結果」の関係を整理する図。骨の形に似ており、主要因(人・設備・方法・材料など)ごとに原因を分類し、問題解決の糸口を探る。

5. パレート図
問題の重要度を明確にするグラフで、項目を発生頻度の高い順に並べ、累積比率も示します。「重要な少数」に注目し、優先的に改善対象を特定するために使う。

6. 相関分析
2つの変数間にどの程度の関係(相関)があるかを統計的に調べる手法。相関係数(-1〜+1)で示され、0に近いほど無関係、±1に近いほど強い関係がある。
7.SD法
SD法とは、Semantic Differential Method(意味微分法)の略で、商品やサービス、ブランドなどのイメージを、対立する形容詞の対(例: 明るい-暗い、強い-弱い)を用いて評価する調査方法。
具体的には、5段階や7段階の尺度で、対象がそれぞれの形容詞のどちらに近いかを回答してもらい、その結果を分析することで、対象の持つイメージを数値化し、把握することができる。

8. AHP分析
AHPは「複雑な選択を構造化」して、「直感的な比較判断を数値化」できる手法。
| 項目 | 内容 | 単位 | 目標値 | 実績値 | 差異 | コメント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FM目標 | 例:省エネ率改善 | % | 10% | 8% | -2% | 今期は未達、追加施策要 |
| FM課題 | 例:老朽化設備の更新 | 件数 | 5件 | 3件 | -2件 | 更新計画遅延あり |
| FM施策 | 例:LED化推進 | 導入率 | 80% | 70% | -10% | 次年度重点項目 |
| 投資額 | 設備投資総額 | 百万円 | 100 | 95 | -5 | 節約効果あり |
| 効果指標 | 光熱費削減 | 百万円 | 50 | 45 | -5 | 省エネ効果は想定より小 |
運営維持の業務分類
| 運営維持 | 運用・サービス | 設備・エネルギー・安全の運用管理 |
| ワークプレイスの運用管理 | ||
| 業務支援サービス | ||
| 生活支援サービス | ||
| 維持・保全 | 点検・保守 | |
| 保全(修繕・改修) |

運営維持は、引用サービスが4つ、維持・保全が2つ。
ワークプレイスの運用管理
- チャーンレート(Churn Rate)は一定期間内に顧客や会員が離脱・解約する割合を示す指標。
- FMにおいては組織変更の多さを表すときに使う。
チャーンレート(%) = 1年間に移動した人数 / 全体の人数 × 100
- 数年先のスペースニーズは、FM部門がシナリオプランニングにより予測し、戦略的に需給計画を立案する。
防火・防災管理
- 火災や災害の予防、発生時の被害を最小限にするための日常的な備え、訓練の実施、発生時の初動対応、復旧までのフォローが業務。
業務支援サービス・生活支援サービス
- 複合機を運用管理部門が一元管理することで、消耗品の発注、故障時の負荷軽減、台数の適正化を図ることができるが、出力枚数の低減を図ることはできない。
- 常時50人以上、または常時女性30人以上の労働者を使用する事業場では、労働者が体調不良時や休憩目的で利用できる休養室または休養所を設けることが求められている。設備配置だけでなく、「利用できる状態の確保」と「利用者のプライバシー保護」が重要とされている。

常時50人、または常時女性30人!
建物劣化診断の調査方法
| 項目 | 調査方法 |
|---|---|
| 構造 | ・部分打診による躯体劣化調査 ・クラックスケールによるひび割れ調査 ・目視による変形調査 ・コンクリート圧縮強度試験 ・コンクリート中性化試験 ・コンクリート塩分含有率調査 など |
| 仕上げ | ・外壁部分の赤外線による調査 ・打診調査による浮きの確認 ・シーリング材の劣化調査 ・塗材のアスベスト使用状況調査 |
| 設備 | ・X線による配管肉厚腐食測定 ・水質検査 など |
中性化とは、普段は高アルカリ性で保たれているコンクリートが中性になっていく劣化現象。
排気ガスや室内の二酸化炭素が内部に侵入し、コンクリートのアルカリ性を示す成分である水酸化カルシウムと反応して、炭酸カルシウムを生成し中性化が進んでいく。

外壁の浮きや剥離を調べるための調査方法の一つで、打診棒やハンマーで壁を叩き、音の違いで異常を判断する。特にタイルやモルタル仕上げの外壁でよく用いられる。
| 比較項目 | アスベスト | ホルムアルデヒド |
|---|---|---|
| 主な用途 | 断熱材・吹付材など | 接着剤・建材・家具など |
| 健康被害 | がん・中皮腫など | シックハウス症候群 |
| 主な暴露経路 | 吸入(飛散した繊維) | 揮発ガスの吸入 |
| 規制の対象 | 使用・撤去の禁止 | 使用量・換気の制限 |
| 診断区分 | 概要 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 一次診断 | 簡易調査(目視・図面) | 危険性が高い建物を抽出 |
| 二次診断 | 一般的な構造計算による診断 | 耐震性能を定量評価し補強要否を判断 |
| 三次診断 | 詳細な解析・実測調査 | 補強設計や改修工事の具体化 |
ファシリティのブランディング
- のれんはFM施設資産の対象外として位置づけられる。
- ファシリティ面で表現するブランディングとは、インナーブランディング、アウターブランディングの両方である。
- インナーブランディング … 社員・内部関係者 → 理念浸透・共感形成・行動統一
- アウターブランディング … 顧客・社会・取引先 → 認知向上・信頼獲得・ブランド価値訴求
- ファシリティーのブランディングでは、「ファシリティーによる企業価値を表現」「長寿命化など時間軸への配慮」「ユニバーサルデザインへの配慮」などに留意する。
光環境
- 「サーカディアン照明」は、人間の体内リズム(サーカディアンリズム)に同期させて設計された照明。
- 時刻によって照明の色温度や明るさを時間帯に応じて調整し、健康・快適性・生産性の向上を目指す光環境設計。

この照明により生体リズムを調整することはできない。

時刻によって色温度等を調整する。天気ではない。
- 「均斉度(きんせいど)」とは、照明の「明るさのムラ(ばらつき)」の程度を表す指標で、とある面における平均照度に対する最小照度の比である。JISZ9110-2011では、設計や図面作業時に対しては0.7とする規定を設けている。

- あるオフィスの机上面で、照度が
- 最低:300ルクス
- 平均:500ルクス
- 最高:800ルクス
の場合:

- 輝度とはある方向に向かってどれだけ明るく見えるかを表す光の強さのこと。
言い換えると、「目に入ってくる光の強さ」。単位は cd/㎡(カンデラ毎平方メートル)。 - 目の疲労が少なくなるようにするためには、作業面と机上の輝度を3:1、机の周囲とは5:1~10:1程度にする

| 用語 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| 照度 | ある面にどれだけ光が届いているか(=光の当たり具合) | lx(ルクス) |
| 輝度 | 見る方向に対してどれだけ明るく見えるか(=見た明るさ) | cd/㎡ |
| 光度 | 一方向に向けた光の強さ | cd(カンデラ) |
- 可視光よりも波長が長いものは赤外線、波長の短いものは紫外線である。
- グレアとは、視野内の不適切な輝度分布または極端な輝度分布によって生じる感覚であり、不快感および見る能力の低下を伴う。
音環境
- NC値は騒音の周波数分析の結果から求められる値であり、耳が感じる音の大きさと騒音の会話に対する妨害度を基礎としている。

一般執務室ではNC40~50が基準とされている。
- 吸音性能は、吸音率αで表され、αが大きいほど吸音率が大きい。
- 壁の遮音性能は、入射した音のエネルギーの透過時の損失に影響され、その性能を示す遮音等級は数字は小さいほど性能が低い。数字が大きいほど性能が高い。
- サウンドマスキングは人間の耳の機能が、一定音量(一定のリズムではない)で聞こえている状況では感度が低下し、小さな音が聞こえにくくなると言う特性を利用している。
- サウンドマスキングは一般的にホワイトノイズが選ばれる。ホワイトノイズはあらゆる周波数成分を同等に含む雑音である。
- 騒音レベルはdB(A)で表し、人間の聴感に応じて周波数ごとに感度補正をした騒音計のA特性で計測した値が用いられる。
人間の耳の感じ方に基づいて補正を加えた音の大きさの指標。
人間の耳は、高い音(高周波)には敏感で、低い音(低周波)には鈍感。
この性質を反映させるために、周波数ごとに補正(フィルタ)をかけて、実際の「うるささ」に近い値に変換したのが A特性(A-weighting)。
空気環境
- 空気を汚染する気体状の物質は、一酸化炭素、二酸化炭素、ホルムアルデヒド、オゾン、臭気、水蒸気などがある。
成層圏では「有益」、対流圏では「有害」。
水蒸気は適切に排出しないと、結露、カビの発生材料の劣化などにつながるから。
- 空気を汚染する粒子状の物質は、
○非生物性…粉じん、アスベストなどのの粒子
○微生物…真菌、細菌、ウイルスなど
がある。 - 換気では、一人当たり一時間当たり30m³程度の新鮮空気の導入が必要である。
- 建築物衛生法による室内環境基準では、
浮遊粉じん 0.15mg/㎥
一酸化炭素 6ppm以下
二酸化炭素 1,000ppm以下
が求められる。 - 労働安全衛生規則では、気積は10m³/人(床面から4mを超える高さにある空間を除く)と規定されている。
※「気積(きせき)」とは、ある空間(部屋など)の空気の体積、つまり建物内部の“空気のかたまり”の量を表す建築・設備用語(気積=床面積×天井高)

1人あたり、気積は10㎥、換気は30㎥。
防災性の評価
- 地震に対して人命を守り、避難安全性を確保するため、公共建築物では、
○防災拠点として機能維持が求められる建物
○それに準ずる避難施設
○それ以外
と、3段階の用途係数(1.5、1.25、1.0)を適用している。 - Is値(耐震指標)…既存建物の耐震性能(耐震診断用)を示す指標。耐震性があるかないか。
- q値(保有水平耐力比)…建物が最低限必要な耐力に対して、実際にどれだけ持っているかの比率。地震や風邪などの水平力に対して、耐えることができる強さ。
- 耐風性評価では、強風時の構造体の安全性確保だけでなく、建築非構造部材や建築設備類に損傷が生じないように、構造強度固定方法などを確認する。
- 建築基準法では高さ20メートルを超える建物には避雷設備を設けることが規定されている。
CASBEE
日本で開発された建築物の環境性能を総合的に評価するシステム。

| 種類 | ランク |
|---|---|
| CASBEE建築(新築) | 5段階(S,A,B+,B-,C) |
| CASBEE不動産 | 4段階(S,A,B+,B) |
| CASBEEウェルネスオフィス | 5段階(S,A,B+,B-,C) |
| ランク | BEEの値の範囲 | 評価の意味 |
|---|---|---|
| S | 3.0以上 かつQ(環境品質)が50以上 | 素晴らしい(最上位) |
| A | 1.5以上 ~ 3.0未満 | 大変良い |
| B+ | 1.0以上 ~ 1.5未満 | 良い |
| B− | 0.5以上 ~ 1.0未満 | 一般的(最低基準クリア) |
| C | 0.5未満 | 配慮が不十分 |

| カテゴリ | 内容の概要 |
|---|---|
| Q1:室内環境 | 熱環境、光・視環境、音環境、空気質など、建物内部の快適性・健康性に関する評価。 |
| Q2:サービス性能 | ユニバーサルデザイン、情報通信環境、防災・防犯機能などの利便性・機能性の評価。 |
| Q3:屋外環境 | 敷地内緑化、景観、日影・風害対策などの建物周辺の環境配慮に関する評価。 |
CASBEE建築で、Sクラスの環境品質の領域が50以上となっているのは、建物環境効率が3.0以上でも、一般水準以上の環境品質を満たさないと「素晴らしい」とは評価できないからである、という意味について。
🌱 CASBEEのBEE(建築環境効率)とは?

- Q(品質)が高く、L(負荷)が小さければ、BEEは大きな値になる。
- つまり、「少ない負荷で高い快適性・利便性を実現している建物」が良い建物。

分母が負荷、分子が品質。
🧩 しかし問題点として…
- もしL(環境負荷)が極端に小さければ、
Q(品質)が低くてもBEE値が大きくなる可能性がある。
つまり「質の低い建物なのに、BEEが高いからといってSランクにはなってしまう」事態が起こる。
🛡 それを防ぐために:
「Sランク」の建物は、Q(環境品質)の絶対値も50以上必要という“最低品質水準”が課されている。
✅ 要するにこの文の意味は:
「BEE値(効率)だけ高ければ“素晴らしい建物”とするわけではない。快適性や利便性(Q)が一定水準以上でなければ、真に優れた建物とは言えないので、“Sランク”には品質基準も併せて求められる”ということ。
🎯 まとめ
- 環境負荷が小さいだけの建物は、BEEが高くても快適性・機能性に欠ける可能性がある。
- よって、「Sランク=BEE≧3.0かつQ≧50」という条件があるのは、
👉「快適で、かつ環境に配慮された本当に良い建物しかSランクにしない」ため。
これは、CASBEEが単なる「省エネ評価」ではなく、「人と環境の両立」を重視していることを示しています。
色
- 色の3要素は、色相、明度、彩度の3つの要素で決定され、色相をもたない無彩色と、色相をもつ有彩色がある。
| 要素名 | 説明 |
|---|---|
| 色相(しきそう) | 色の種類(赤・青・黄など「何色か」)を表す要素。色味の違いを示す。 例:虹の順番。 |
| 明度(めいど) | 明るさの度合い。白に近いほど高く、黒に近いほど低い。 例:白 > ピンク > 赤 > 黒。 |
| 彩度(さいど) | 色の鮮やかさ。彩度が高いとビビッド、低いとグレーに近づく(くすみ・濁り)。 |
- 同じ色彩であっても、面積が広いと狭いより明るく、彩度も鮮やかに感じる。

実際より手前に感じる。

実際より後ろに感じる。
- 「色の対比(色のコントラスト)」とは、2色以上の色が並んだときに、お互いの色がどのように影響し合うかを指す。
| 対比の種類 | 内容・特徴 |
|---|---|
| 色相対比 | 色味(色相)が大きく異なる色を並べたときの対比。例:赤と緑、青とオレンジ。 |
| 明度対比 | 明るさの差による対比。例:白と黒、明るい黄色と暗い紫。 |
| 彩度対比 | 鮮やかな色とくすんだ色の対比。例:ビビッドな赤とグレーがかった赤。 |
| 補色対比 | 色相環で正反対に位置する色同士の対比。例:赤と緑、青と橙など。強烈で目立つ効果あり。 |
| 同時対比 | 隣接する色の影響で、ある色の見え方が変わる現象。例:同じ灰色でも背景色によって違って見える。 |
| 面積対比 | 色の面積の大小による対比。小さい色ほど目立つ効果がある(アクセントカラーなど)。 |
| 質感対比 | 同じ色でも光沢・マットなど質感の違いによる印象の差。 |
FMの目標管理
- 目標を行うには、多くの固有技術とそれに関する知識が必要になる。
- FMの固有技術に、ファシリティ評価のための技術が含まれる。
- 建築設計、施工技術は含まれない。
評価目的に沿ったFMデータの収集とDBの考え方

統括FM
- ジョブディスクリプションは、各職務の内容について、権限と責任、必要な能力と資格、職務の詳細な内容、期待される成果などが詳細に文書化されたものである。
- バランススコアカードは下記の4つの視点から戦略目標を定める管理手法。
| 視点 | 質問 | 例 |
|---|---|---|
| ① 財務の視点 | 株主から見て、財務的に成功しているか? | 売上高、利益率、ROEなど |
| ② 顧客の視点 | 顧客にとって、どのように見えるべきか? | 顧客満足度、リピート率、ブランド認知 |
| ③ 業務プロセスの視点 | どの業務がうまく機能しているか? | 製造効率、在庫回転率、納期遵守 |
| ④ 学習と成長の視点 | 長期的に成長し続けるために何が必要か? | 従業員教育、組織文化、IT活用度 |
- RFP、RFI、FCI は、主に調達・外部委託・プロジェクト選定時に使用される情報収集・依頼文書の略称。それぞれの意味や使い方は以下の通り。
| 用語 | 意味・目的 |
|---|---|
| RFI | 情報提供依頼書市場調査や選定準備段階でベンダーから一般情報を収集する |
| FCI | 無償情報提供書/自由形式の参考情報RFIよりも非公式で、自由に参考情報を得る手段。国内ではあまり制度化されていない用語 |
| RFP | 提案依頼書要件を示し、ベンダーに具体的な提案と見積りを依頼する文書 |
| 段階 | ドキュメント | 目的 | 内容例 |
|---|---|---|---|
| ① 調査 | RFI | 市場・技術動向を知る | 製品概要、導入実績、参考価格 |
| ② 任意調査 | FCI | 自由形式で情報を得る | ベンダー主導の情報、提案書の事前資料など |
| ③ 選定 | RFP | 具体的な提案を募る | 要件仕様、納期、価格、対応体制など |
ベンチマーキング
- ベンチマーキング(Benchmarking)とは、自社の製品・業務・サービスを、他社や業界の優良事例と比較・分析し、改善のヒントを得る手法。
- FMベンチマーキングによるFM関連データは、企業間の情報共有によって、互いに有用な情報とすることが望ましい。
- 調査
- 分析
- 計画
- 導入
ボトムアップ型プロジェクトの体制例

- 各分科会で検討した要求条件をFM部門がとりまとめて、基本計画を立案する。
- プロジェクト実行委員会で最終判断した後、経営会議に報告・承認を得て、基本設計を決定する。
FMの品質評価
・色温度 → ケルビン
| 単位 | 記号 | 測る対象 | 説明 |
|---|---|---|---|
| 光度 | cd(カンデラ) | 光源からある方向に放射される光の強さ | 懐中電灯の明るさを方向ごとに表す |
| 光束 | lm(ルーメン) | 光源が全方向に放つ光の総量 | 電球が1秒間に出す光の量 |
| 照度 | lx(ルクス) | 物体表面に到達する光の明るさ | 机上の明るさ |
| 輝度 | cd/m² | 面から出る光の明るさ | ディスプレイや壁面の見かけの明るさ |

- 演色評価数とは光源が物体の色をどれだけ自然に見せるかを示す数値。
- 太陽光を基準(自然光=理想的な光)として、光源の色再現性を0~100の数値で評価する。
- 単位は「Ra」(一般演色評価数)。
ウェル認証(10項目)
| コンセプト | 主な内容 | 評価要素例 |
|---|---|---|
| 空気 (Air) | 室内空気の質を確保 | 換気量、VOC削減、禁煙ポリシー、空気質モニタリング |
| 水 (Water) | 安全で清潔な水の供給 | 飲料水検査、微生物・鉛・化学物質管理、給水ポイント |
| 栄養 (Nourishment)・食物 | 健康的な食習慣を推進 | 加工食品制限、栄養表示、野菜・果物提供 |
| 光 (Light) | 自然光と人工照明の最適化 | サーカディアン照明、眩しさ対策、視覚快適性 |
| 運動 (Movement) | 身体活動を促進 | 階段アクセス、可動式家具、アクティブデザイン |
| 熱的快適性 (Thermal Comfort) | 快適な温熱環境 | 温度・湿度制御、パーソナル調整機能 |
| 音 (Sound) | 健康的な音環境 | 遮音性能、残響制御、騒音基準 |
| 材料 (Materials) | 健康に配慮した建材使用 | VOC低減、化学物質制限、環境配慮素材 |
| 精神 (Mind) | 精神的健康と幸福感 | バイオフィリックデザイン、メンタルヘルス施策 |
| コミュニティ (Community) | 包括性・安全性・教育 | 健康教育、防災対策、多様性と公平性 |
- 「イノベーション(Innovation)」というボーナス的な評価項目(加点枠)が別枠で設けられており、これが追加される形で合計11項目として言及されることもある。しかし、正式な「コンセプト」は10項目。
| レベル | 必要スコア(満点は110点) |
|---|---|
| Bronze(ブロンズ) | 40点以上 |
| Silver(シルバー) | 50点以上 |
| Gold(ゴールド) | 60点以上 |
| Platinum(プラチナ) | 80点以上 |
- WELL APは、WELL Accredited Professional(WELL認定プロフェッショナル)の略称で、WELL認証(WELL Building Standard)に関する専門的な知識とスキルを有することを証明する国際資格。
- WELL APの資格では、ウェル認証の評価員にはなれない。
- WELL認証のv1は7項目だった。

LEED v4 / v4.1 BD+C(建築設計・建設)評価カテゴリ
| 評価カテゴリ | 主な内容(抜粋) |
|---|---|
| Integrative Process(統合的プロセス) | 設計初期からエネルギー・水・敷地・環境の統合的な計画 |
| Location and Transportation(立地と交通) | 公共交通アクセス、自転車設備、駐車場縮小、低排出車両優遇 |
| Sustainable Sites(敷地の持続可能性) | 雨水管理、生態系保護、光害対策、ヒートアイランド現象の抑制 |
| Water Efficiency(水効率) | 屋内外での節水、再利用水、先進的水効率管理 |
| Energy and Atmosphere(エネルギーと大気) | エネルギー性能最適化、再生可能エネルギー導入、建築機器の性能確認(Cx) |
| Materials and Resources(資材と資源) | 建材の環境宣言(EPD)、ライフサイクル影響低減、建設廃棄物管理 |
| Indoor Environmental Quality(室内環境の質) | 換気・空気質確保、VOC低減、音環境、日射・眺望、温熱快適性 |
| Innovation(革新性) | 基準を超える先進的取り組み、LEED認定専門家の関与 |
| Regional Priority(地域優先事項) | 各地域特有の環境課題(例:水不足地域での節水など) |
ファシリティの快適性評価
光環境(JIS Z9110)
事務室の維持照度 750lx
会議室の維持照度 500lx
屋内統一グレア 19UGR
音環境
一般事務室の騒音基準 50-55db (45-55dbと書かれていることもある)
NC値 40-50 (最新の値はもっと低い)
※NC値:室内の騒音レベルを人間の聴感に基づいて評価するための指標
熱環境(建築物衛生法に基づく室内環境基準(建築物環境衛生管理基準))
熱環境の快適性を左右する要因は、
・環境側4要素 … 温度、湿度、気流、放射温度
・人体側2要素 … 着衣量、活動量
である。
| 項目 | 基準(現行) |
|---|---|
| 温度 | 18℃以上~28℃以下 |
| 相対湿度 | 40%以上~70%以下 |
| 気流(風速) | 0.5m/s 以下 |
空気環境
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)
対象は特定建築物(すべての建築物ではない)
適合状況を2ヶ月に1回確認することが求められている
| 項目 | 基準値(最新) |
|---|---|
| 一酸化炭素(CO) | 6 ppm 以下 |
| 二酸化炭素(CO₂) | 1,000 ppm 以下 |
FMの生産性評価
- 日本の労働生産性(厳密には「1時間あたりGDP」)は、2023年時点で 38カ国のOECD加盟国中29位 に位置している。
- 2018年頃までは20位前後だったが、その後下降傾向にあり一時は31位にまで落ち、2023年は29位まで回復した。
- OECD(経済協力開発機構) とは、世界の先進諸国を中心に構成される国際機関で、経済政策や社会政策の協調・調整を目的としている。
FMの財務評価
評価グリッド法・ポートフォリオ分析・SWOT分析 は、いずれも 戦略策定や意思決定のための分析手法
| 手法 | 概要 | 主な目的 | 活用場面 |
|---|---|---|---|
| 評価グリッド法 | アンケート調査などで、顧客が商品やサービスを評価する際の「重要度」と「満足度」を2軸グリッドにプロット | 顧客満足度調査や製品改善点の特定 | 顧客ニーズの把握、サービス品質改善、FMにおける利用者満足度調査 |
| ポートフォリオ分析 | 事業や商品を「市場の魅力度」と「自社の競争力(またはシェア)」の2軸でマッピング | 経営資源の配分を最適化 | 事業戦略、商品ラインナップの見直し、投資判断 |
| SWOT分析 | 自社の 強み(S)・弱み(W)・機会(O)・脅威(T) を整理 | 内外環境を把握し、戦略立案につなげる | 中長期戦略策定、新規事業の立案、FM計画策定 |



- 計画的な保全の予算管理とは、残存不具合額に着目して、目標とする金額の範囲内で、保全費用をコントロールすることである。
- 残存不具合率(FCI)=残存不具合額/建物復成価格×100
- 残存不具合率の適正範囲は5-10%
- PIは性能劣化した改良費用の評価に利用する。
FMの品質・財務・供給目標

・品格性・・・・・・地域性/景観性/ブランディングなど
・快適性・・・・・・居住性/エルゴノミクス/保健性など
・生産性・・・・・・機能性/効率性/利便性/融通性/俊敏性など
・安全性・・・・・・防災性/防犯性/機能継続性など
・耐用性・・・・・・耐久性/可変性/整備性/更新性など
・環境性能・・・・・省エネルギー/LCA など
・満足度・・・・・・利用者満足度など
・ファシリティコスト・・・・・・収益性(損益計算書に対応)
・施設資産・・・・・・・・・・・所有妥当性と保全性(貸借対照表に対応)
・施設投資・・・・・・・・・・・投資回収性(キャッシュフロー計算書に対応)
・ライフサイクルコスト・・・・・生涯費用の最適化
・需給対応性・・・・・・施設面積の過不足に対応
・施設利用度・・・・・施設資産の有効活用に対応
・サービス供給・・・・サービスの質と量に対応
ファシリティの環境性の評価
インベントリ分析
製品やサービスのライフサイクル全体にわたって、
投入(Input)と排出(Output)を定量的に収集する段階。
インベントリ=在庫・棚卸
インパクト分析
インベントリ分析で収集したデータをもとに、
環境への影響をカテゴリーごとに評価する段階。
インパクト=影響
- 亜酸化窒素は別名、笑気ガス。医療や工業で役立つ一方、強力な温室効果ガスであり、オゾン層破壊の要因にもなるため、国際的に排出削減が求められている。
- 亜酸化窒素(N₂O)の温室効果は、二酸化炭素の273倍。
| IPCC報告書 | GWP 値(CO₂=1) |
|---|---|
| 第4次評価報告書(AR4, 2007年) | 298 |
| 第5次評価報告書(AR5, 2014年) | 265 |
| 第6次評価報告書(AR6, 2021年) | 273 |
- カーボンフットプリント(CFP: Carbon Footprint of Product)とは、製品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体で排出される温室効果ガスの量をCO2排出量に換算したもの。
- LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)とは米国グリーンビルディング協会(USGBC)が策定した。建築物の環境性能を総合的に評価・認証する世界的な制度。
| ランク | 点数(満点110点中) |
|---|---|
| Certified(認証) | 40~49点 |
| Silver(シルバー) | 50~59点 |
| Gold(ゴールド) | 60~79点 |
| Platinum(プラチナ) | 80点以上 |
法定耐用年数
| 建物の用途 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 事務所用(オフィスビルなど) | 50年 |
| 学校用 | 47年 |
| 店舗用 | 39年 |
| 住宅用(居住用) | 47年 |
| 病院・診療所 | 39年 |
| 工場用 | 47年 |
供給評価
- 施設面積の供給評価 :面積や需給対応性を指標とする
- 施設利用度評価 :容積率、建蔽率などを指標とする
- サービス供給評価 :KPI・SLAし指標とする
- 業務支援サービスや生活支援サービスの「量」「品質」「費用」で評価するFMサービスの供給評価は、各組織で優先すべき要素が異なるため、一律の評価基準が適用できない。

施設面積評価
- 単位面積評価 :利用者一人当たり面積による
- スペース配分率評価 :執務室面積や通路面積などの面積配分率による
- 算定方法として「積み上げ方」「分割法」「一人当たり面積法」があり、共通する基礎的な数値として利用者数が必要である。
セキュリティ管理レベルは4段階
レベル1:最低限の出入口管理(鍵、受付等)
レベル2:入退館記録・ID確認・監視カメラ常時稼働
レベル3:エリアごとのアクセス制御(カードキー、生体認証等)
レベル4:二重扉(マン・トラップ)、24時間有人警備、複数認証要件、全館監視

データセンタや金融機関はレベル4
ティア規格
主にデータセンターの信頼性や冗長性(Redundancy)を評価する国際的な基準。
データセンターの可用性(Availability)や障害耐性(Fault Tolerance)を、4つの階級(Tier 1〜4)で評価。
| ティア | 信頼性レベル | 主な特徴 | 年間稼働率 | 年間停止時間目安 |
|---|---|---|---|---|
| Tier 1 | 基本 | 単一路線・最小限の設備 | 99.671% | 約28.8時間 |
| Tier 2 | 中 | 一部冗長化(N+1) | 99.741% | 約22時間 |
| Tier 3 | 高 | 同時メンテナンス可(N+1冗長) | 99.982% | 約1.6時間 |
| Tier 4 | 最高 | 完全フォールトトレランス(2N以上) | 99.995% | 約26分 |

物理的セキュリティ管理基準とティアとは別物!
FMの改善
- FMの改善は、「評価」により明らかになった課題を踏まえて、新たな目標を設定するための改善方針を検討し、立案する業務である。
- ファシリティマネージャーはFM組織内で対応が難しい問題について、経営戦略への改善方針を立案して経営戦略にフィードバックする。

FM組織の課題としてとらえる必要はなく、経営戦略にFBする。
- ミッション(使命)…存在意義・何のために組織があるのかを定義する
- ビジョン(将来像)…ミッションを基盤にして、将来どのような姿を実現したいか を描く
- ドメイン(事業領域)…ビジョンを達成するために、どの領域・フィールドで活動するのか を定める
ベンチマーキングの10のステップ
【調査】
STEP 1 ベンチマーク項目を決める
STEP 2 ベンチマーク相手(ベストプラクティス)を決める
STEP 3 データ・情報を収集する
【分析】
STEP 4 差異(ギャップ)を認識し、その理由を分析する
STEP 5 将来の到達水準を設定する
【計画】
STEP 6 到達水準について組織の理解を得る
STEP 7 改善目標を設定する
STEP 8 実行計画を立案する
【導入】
STEP 9 ベストプラクティスを導入し、進展状況をモニタする
STEP 10 ベンチマーキングを続け、継続的に改善していく
ある町に、パン屋「ひなたベーカリー」の店主・ひなたさんがいました。
ひなたさんは「もっとおいしいパンを作りたい!町一番の人気店になりたい!」と思い立ちます。
まず、ひなたさんは考えます。
「私はパンの味? 接客? それとも売上? 何を一番に改善したいのか決めよう。」
今回は「パンのふわふわ感」と「お客さんの満足度」を比べることにしました。
次に、町で評判の「青空ベーカリー」のことを思い出します。
「よし、あそこはベストプラクティスだ。参考にさせてもらおう!」
ひなたさんは「青空ベーカリー」に何度も通い、パンの買い方や会話、焼き時間を観察。
さらに、お客さんの声もこっそり聞きます。
情報を見比べると、ひなたベーカリーのパンは少し固め。
さらに、店内の香りや照明も青空ベーカリーほど心地よくないことに気づきます。
「パンの柔らかさは、青空ベーカリー並み。それ以上に、お店の雰囲気を良くしよう!」と目標を設定。
パン職人の従業員やレジ担当のスタッフとミーティング。
「こんな風に改良していきたいんだ」とビジョンを伝えます。
「焼き時間を2分短縮」「新しい照明の設置」「焼きたてパンの香りを広げる工夫」など、具体的な改善項目を決めます。
「来月までに焼き時間を調整、再来月までに照明を入れ替える」など、期限と順序を決めます。
実際に焼き時間を短くし、新しい照明を設置。
スタッフと「パンの香り広げ大作戦」も実行。
その効果をお客さんの反応でチェックします。
パンは以前よりふわふわになり、お客さんの笑顔も増えました。
しかし、ひなたさんはこう言います。
「まだ終わりじゃない。これからも続けて、もっともっとおいしいパンを作ろう!」
こうして「ひなたベーカリー」は町で一番愛されるパン屋になりました。
CM

- ピュアCM:CMrは「先生・コンサル」 → リスクは発注者が持つ
- CMアットリスク:CMrは「先生兼施工責任者」 → リスクをCMrが持つ
資本コスト率
企業が資本(株主資本+負債)を調達して事業を行うとき、
投下資本に対して最低限期待される利益率を「資本コスト率」と呼ぶ。
これを最も一般的に表すのが WACC(加重平均資本コスト: Weighted Average Cost of Capital) 。
資本コスト率 = 株主資本コスト率 × 株主資本比率 + 負債コスト率 × 負債比率
→資本コスト率は投下資本に対して期待される利益率をいい、株主資本コスト率と負債コスト率の加重平均である
ただし、負債コストは税引後に修正するのが正しい。
減損処理
企業が持っている 固定資産(建物・土地・機械・無形資産など) が、
将来の収益を十分に生み出せないと判断されたとき、
その資産の帳簿価額を回収可能額まで減額し、損失を計上する会計処理のこと。
簡単に言うと「もうこの資産は帳簿上の価値ほど稼げないから、価値を減らす」という処理。
損益計算書の特別損失として計上する。
建物の賃借物件選定
建物の賃借物件を選定するときの「基本的な3つの条件」は、立地・建物性能・賃借条件(コスト)。
1. 立地条件
- 所在地、周辺環境、地域イメージなど
- 交通アクセス(顧客や取引先との距離・社員の通勤利便性)
- 生活インフラ(治安・商業施設・住環境など)
- 都市インフラ(電気、水道、ガスなど)
2. 建物性能条件
- 耐震性・安全性(新耐震基準適合など)
- 空調・電気容量・通信インフラ(業務に適したスペックか)
- レイアウトのしやすさ(フロア形状・天井高)
- バリアフリー対応・設備の新しさ
- 将来の拡張性
3. 賃借条件(コスト)
- 賃料(坪単価・月額)
- 共益費・管理費
- 敷金・保証金・礼金などの初期費用
- 原状回復費用(退去時コスト)
- ランニングコスト(光熱費、設備メンテナンス費など)
土地
- 地目とは不動産登記における「土地の利用目的」のこと。
- 宅地・田・畑・山林・雑種地など(全23種類)
- 土地の実際の利用状況が変わったときに、登記上の地目も変更する手続きを地目変更といい、法務局へ「地目変更登記」申請を行わなくてはならない。
- 敷地の面積は、土地登記簿に記載されている公募面積と、実際に測量した実測面積があり、土地の売買では実測面積が基準となる。
- とあるが、どちらを基準にするかは契約内容次第。
- 実務では、都市部の宅地=公簿売買が多く、面積が大きい土地や境界があいまいな土地=実測売買が多い。
耐火建物
| 区域 | 規制の概要 |
|---|---|
| 防火地域 | 階数が3以上または延べ100㎡超は 耐火建築物相当 を義務付け。 その他は 準耐火建築物相当 でも可。 |
| 準防火地域 | 階数4以上または延べ1,500㎡超は 耐火建築物相当 。 延べ500〜1,500㎡は 耐火または準耐火相当 が必要。 階数3以下の場合は、構造や開口部に関する技術基準を満たすことも可。 |
- 2025年4月の法改正により、準防火地域において耐火建築物や準耐火建築物の建ぺい率が10%緩和され、より建築設計の柔軟性が高まった。
ワークプレイス
ユニバーサルプランオフィス
- ユニバーサルプランオフィスとは、役職席を決めずにデスク数や配置を均一にするレイアウト。
- 汎用的なレイアウトのため、組織変更や働き方の変化にも対応しやすい。
- ユニバーサルレイアウトはフリーアドレスとも共通点が多いが、大きく異なるのは固定席の有無。
- 固定席を設けないフリーアドレスに対し、ユニバーサルレイアウトは従業員一人ひとりの固定席を設ける。
- かつては部署ごとにデスクを対向式に配置し、従業員同士が向かい合うように着座する島型対向式レイアウトが主流だった。しかし、島型対向式レイアウトは組織変更や従業員の増減などのたびに、レイアウトの変更が必要。
- 一方のユニバーサルレイアウトは組織の事情に関わらず柔軟に対応できるため、導入する企業が増えている。
クリエイティブオフィスとフューチャーセンター
| 項目 | クリエイティブオフィス | フューチャーセンター |
|---|---|---|
| 主な目的 | 社員の創造性を高め、社内イノベーションを生む | 社会課題解決や新しい価値の共創 |
| 主な利用者 | 自社の社員 | 社員+社外(行政・市民・NPOなど) |
| 空間の性格 | オープンで柔軟、偶発的交流を重視 | 中立性を持ち、対話・共創を重視 |
| 成果の対象 | 自社の新規事業や働き方改革 | 社会全体の課題解決や新価値創出 |
空調運転制御のゾーニング
| 用途別ゾーニング | 一般執務室ゾーン、会議室ゾーンなど |
| 負荷別ゾーニング | 内部(インテリア)ゾーン 外周(ペリメータ)ゾーン ※外周ゾーンは、さらに方位別にゾーニング |
| 個別ゾーニング | 特別な空調条件が要求されるスペース |
空調負荷
- 熱取得 … 室温を上昇させ冷房負荷となる。
- 熱損失 … 室温を低下させ暖房負荷となる。

「熱を取得」する→室温が上昇する→冷房負荷となる
| 冷房負荷 | ・ガラス窓を透過する日射負荷 ・室内外の温度差で壁などから伝わる伝熱負荷 ・人体・照明・各種の機器等から発生する室内負荷 ・隙間風や室内の清浄度を維持するために取り入れる新鮮空気がもたらす外気負荷 |
| 暖房負荷 | ・室内外の温度差による伝熱負荷、外気負荷 |
輻射冷暖房
- 空気を直接冷やしたり暖めたりするのではなく、床・壁・天井などの表面を冷却/加熱し、その表面から放射される熱(輻射熱)で室内を快適にする方式。
- 冷房時…天井や床の中に冷水を流し、表面温度を下げる → そこから輻射で熱が奪われ、体感温度が下がる。
- 暖房時…床暖房や壁・天井パネルに温水を流し、表面温度を上げる → そこから輻射で熱が伝わり、体感温度が上がる。
- つまり、「直接空気を温める/冷やす」のではなく、「表面を温め/冷やして間接的に体を快適にする」方式。
- 風がなく、自然な温度感。乾燥しにくい。
健康経営
- 健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。5項目で評価sれる。
- ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを指す概念。
- 1946年、WHOが定めた「健康であることの状態」を意味する言葉。
- 単に病気や不調がないだけでなく、充実感や幸福感を持って生活している状態を表す。
- 社員が安心して働ける→自由にコミュニケーションできる→多様な知識や経験が交流する→ その結果、新たな知識創造(イノベーション)が生まれる
- ストレスチェック制度とは労働安全衛生法に基づき、2015年12月から義務化された制度。
- 対象は常時50人以上の労働者を使用する事業場(50人未満は努力義務)。
予備電源設備
- 非常用自家発電設備は、停電してから40秒以内に電圧確立することが定められている。(消防法)
PFIとコンセッション方式
| 項目 | PFI | コンセッション方式 |
|---|---|---|
| 定義 | 民間が設計・建設・資金調達・維持管理・運営まで行う包括的枠組み | PFIの一形態で「運営権」を民間に設定する方式 |
| 所有権 | 公的機関 | 公的機関 |
| 運営権 | 民間(PFI全般に含まれる場合あり) | 民間(明確に運営権を設定) |
| 主な対象 | 公共施設全般(庁舎、病院、学校など) | インフラ施設(空港、上下水道、道路など) |
| 収益の柱 | 利用料 or 行政からの対価 | 利用料(利用者から直接徴収) |
防災拠点の耐震化進捗状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 耐震化率(全国) | 約96.2%(令和4年度) |
| 熊本地震の影響 | 防災拠点の崩壊により耐震化の必要性が顕在化 |
| 施策の推進 | 各省庁・自治体による耐震診断、改修計画策定の推進 |
中規模地震(震度5強程度)では「損傷しない」
大規模地震(震度6強〜7程度)でも「倒壊・崩壊しない」
発注方式
1. コンセッション方式(Concession)
- 公共施設の運営権を民間事業者に一定期間「売却」して、民間が運営する方式
- 所有権は公共側に残るが、運営から収益を得るのは民間
- 主に空港、水道、下水道などのインフラ運営で利用
- メリット:財政負担を軽減、民間の経営効率を活用
- デメリット:公共性の確保・料金水準の調整が課題
2. DBO方式(Design–Build–Operate)
- 設計(Design)+建設(Build)+運営(Operate)を一括して民間が担う
- 所有権は発注者(公共)に残る
- インフラ整備+運営ノウハウを一体で発注できる
- 公共施設や上下水道での導入事例あり
3. DB方式(Design–Build、一括発注方式)
- 設計と施工を一括して民間に任せる方式
- 従来の「設計→施工」の分離方式に比べて工期短縮・コスト削減が期待できる
- ただし、設計と施工を同じ事業者が行うため、設計品質の担保に注意が必要
4. 総合評価落札方式
- 公共工事の入札方式の一つ
- 単純な「価格の安さ」だけでなく、「技術提案・実績・品質」を加点評価して落札者を決定
- 技術力を持つ企業が適正に選ばれる仕組み
- 国交省が公共事業に広く導入
5. コストオン方式(Cost On方式)
- 発注者と受注者が協議しながら、実費(コスト)+一定の手数料(フィー)で契約する方式
- 受注者はコストを透明化して提示し、発注者が合意して進める
- 不確実性の高い工事やプロジェクトに向く
- メリット:リスク分担が柔軟
- デメリット:コスト削減インセンティブが弱い
6. 分離発注方式
- 設計・施工・設備工事などを発注者が分けて契約する方式
- 発注者が主導的に調整できる反面、管理負担が大きい
- 大学や公共施設建築などでよく採用される
7. ECI方式(Early Contractor Involvement)
- 設計段階の早期から施工業者を関与させる方式
- 設計の合理化や施工方法の工夫を取り込めるため、コスト縮減・リスク回避が期待できる
- 欧米では一般的、日本でも大規模プロジェクトで導入が進みつつある
8. CM方式(Construction Management)
- 発注者が「CMr(Construction Manager)」を選定し、工事全体を管理させる方式
- CMrは設計・施工を行わず、発注者の代理として「コスト管理・工程管理・品質管理」を行う
- メリット:発注者側の利益を守りやすい
- デメリット:CMrの力量に依存
ブリーフィングとコミッショニング
- ブリーフィングとは、発注者の要求や目的を整理し、設計・施工チームに伝えるためのプロセスや文書。
- ブリーフィングのポイントは発注者が建築目的、制約条件、要求事項などの情報を、できるだけ適確に設計者に伝えること。
- ブリーフは発注者と設計者との協議提案などにより変更されるものであり、この変更プロセスが文書化され、発注者としての責任が明確になっていることが重要である。
- コミッショニングとは、完成した施設や設備が、発注時に定めた性能や機能をきちんと発揮できるかを確認・検証するプロセス。
- 一般的に性能検証と訳される。
- 的確な要求条件があって初めてコミッショニングが可能となる。
| 項目 | ブリーフィング | コミッショニング |
|---|---|---|
| タイミング | 計画初期(設計前) | 竣工時~運用初期 |
| 主な担い手 | 発注者+設計者 | 発注者+施工者+運営者 |
| 内容 | 要求条件の整理・定義 | 性能確認・試験・調整 |
| 目的 | 設計条件を明確にする | 要求性能の実現を担保する |
省エネルギー
- 事務所ビルの一次エネルギー消費量の用途割合は、照明・コンセントが一番多くを占める。
- LCAについて国際的に定めたISO規格は「ISO 14040(原則・枠組み)」「ISO 14044(実施方法)」の2つが中心となる。
- カーボンフットプリントは、人間の活動や製品・サービスのライフサイクル全体を通じて排出される 温室効果ガス(CO₂換算)量 を数値化したもの。(フットプリント(footprint) :足あと)
- ゼロエミッションは排出物(特に廃棄物や温室効果ガス)を ゼロにすることを目指す概念。
- グリーンリースは、不動産賃貸借契約の中で、環境配慮(省エネ・CO₂削減・サステナビリティ)に関する取り決めを盛り込む契約形態。
旧目標(2015年)
2030年度までに、2013年度比で 26%削減
現行目標(2021年以降の最新)
2030年度までに、2013年度比で 46%削減(さらに50%削減を目指す)
2035年度までに-60%
2040年度までに-75%
2050年にネット・ゼロ(カーボンニュートラル)
LCCO₂
- LCCO₂(ライフサイクル二酸化炭素排出量: Life Cycle CO₂) とは、建物や製品について「ライフサイクル全体で排出されるCO₂量」を合計したものを指す。
- LCCO₂ = 製造 → 輸送 → 建設 → 使用 → 解体 → 廃棄までのCO₂排出量の合計
- 改修段階の放出量も含まれる。
環境汚染物質
- 六価クロムとは強い酸化力を持ち、毒性が高い重金属。
- 発がん性・皮膚炎・呼吸器障害などの健康被害を引き起こす可能性がある。
- セメント系固化剤、黄色顔料(クロムイエロー)に使われている。
- 現在は 環境・健康リスクのため規制が強化され、三価クロムなどに置き換え が進んでいる。
FM監査
- ハード面のFM監査のポイントは、設計された趣旨に対し、どのような状況にあるのかを診断し、その要求条件に合致しているかどうかを精査すること。


